フランスの実態

フランスは超学歴社会?日本の比ではない! 筋金入りの学歴社会とは 前半




こんにちは、ペロンです。

 

普段フランスの企業で働いている私ですが…

フランスは日本以上に筋金入りの学歴社会だと感じます。

ペロンもフランスで就職活動を経験しました。

でも学歴のせいで…フランスでの就職活動は本当に大変でした。

私は日本で4年生の大学を卒業して、学士を持っています。

しかし、フランスの学歴を持っていません。

このせいで、フランスでの就職活動中にどれだけ悔しい思いをしたことか。

 

フランスの筋金入りの学歴社会…

どうしてフランスにこんなに色濃い学歴社会が存在しているのか、前半・後半に分けてまとめます。

 




バカロレアってなに?

そもそもフランスの学歴社会を話す前に、フランスの高校以降の学歴システムについて説明させてください。

フランスでは高校(Lysée)が終わる時に、バカロレア(Baccalauréat)という全国一斉のテストを受けます。

通称BACと呼ばれます。

バカロレアに合格すると、高校卒業資格が認定されます。

 

このバカロレアというもの…

ペロンはものっすごい難しいものかと思っていましたが…

実際約60~70%の学生が合格できるんだとか。

だいたいの学生さんが合格できる試験なのですね。

 

日本のセンター試験のようなものですが、この結果は大学入学に左右されるものではありません。

あくまで、高校卒業資格を認定するものです。




大学に入学の条件は?

大学に入学するには、高校卒業するまでの最後の2年間のスコアとバカロレアの結果を提出し、大学が選考します。

そこから独自の試験があったりなかったり、学校によって条件が異なります。

 

日本のような大学入学試験はフランスにはありません。

他の海外の大学のように、入学は簡単だけど、卒業が大変というパターンです。




フランスの学位の種類とは?

フランスの学位の種類は3種類あります。

リサンス Licence- 学士のこと、3年間就学する。

通称BAC+3と呼ばれる。

マスター Master- 修士のこと、2年間就学する。

通称BAC+5と呼ばれる。

ドクトラ Doctorat- 博士のこと、3年間就学する。

通称BAC+8と呼ばれる。

 

日本の学歴制度と少し就学期間に違いがあります。

日本の4年生大学を出て学士を持っている場合、リサンスとマスターの間になります。

これが厄介で…

就職の際にリサンスとして雇ってくれるか、マスターとして雇ってくれるか、会社の判断によるのです。

4年生の学士を持っている場合、どのようにフランスで雇ってもらえるのか、明確な基準がないのが現実です。




グランゼコールとは?

フランスではグランゼコール(Grandes Écoles)という、超エリート校があります。

日本で言うと旧帝大みたいなイメージで、複数の難関国立学校を指します。

フランスでは「グランゼコールを出たか、どのグランゼコール出身か」ということが一生を左右します。

 

そもそも高校卒業しただけではグランゼコールに入学できません。

2年間の準備学級を経て、晴れてグランゼコールに入学できます。

 

グランゼコール出身というだけで、何の苦労もなく就職できたり、入社時の給料も違います。

また、会社に入社後も幹部候補としてやらされる仕事も全く異なります。

入社していきなり課長とかやりますからね。

下手したら卒業したての人間が、いきなり部長をやっている場合もあります。

職歴もないのに、いきなり会社のマネージメントをさせるのです。

 

グランゼコールの出身のエリートの出世っぷりは、少しイメージがしづらいと思うので、フランスの超エリート有名人2人を例に挙げます。




グランゼコール出身の有名人とは

カルロス・ゴーン

カルロス・ゴーンさん、日本でも有名ですよね。

・フランスの自動車会社・ルノー社の現CEO

・日産自動車元CEO(現会長)

・三菱自動車の会長

として活躍されています。

 

ゴーンさんは日産自動車が倒産しかけたときに、経営を立て直した敏腕経営者です。

年収が9億円近く…すごすぎます。。

一時期「もらいすぎだ」と話題になりましたよね。

 

ゴーンさんの経歴を調べていて…ペロンはドン引きしてしまいました!w

とんっでもないエリートなのです。

 

ゴーンさんは、グランゼコールの中でも最もレベルが高いと言われている、

・エコール・ポリテクニーク

・パリ国立高等鉱業学校

の出身。

難しさのレベルを表現すると、東大の理一と京大の工学部を卒業するようなもの。

一つ卒業するだけでも大変なのに、2つも卒業しているのですw

 

卒業後は…

・まずタイヤメーカーのミシュランに就職。

・入社3年目の27歳で製造工場の工場長に。

・31歳でミシュランのブラジル支社の社長に。

・35歳で北米ミシュランの社長に。

という経歴を経験されています。

 

もう何もかも次元が違いますよねw

 

もちろん、ご本人の才能や裁量も影響して出世されたことは間違いありませんが…

若年層でも管理職として重大なポストを任されるのは、グランゼコール出身だからだと言えます。

 

すっごいですよね~…

 

現職フランス大統領 エマニュエル・マクロン

2017年に史上最年少で(40歳)フランス大統領に就任したエマニュエル・マクロンさん。

学生時代に学校の先生に恋をして、25歳年上の奥様と結婚されたことで有名ですよね。

 

マクロンさんは、パリ第十大学からパリ政治学院、国立行政学院に進学。

パリ政治学院、国立行政学院は政治部門の超エリート校、グランゼコールの一つです。

この学校も難しさのレベルを表現すると、東大と京大を卒業するようなもの。

すごいですよね~…

 

マクロンさんはその後、

・会計監査官を経てロスチャイルド系の投資銀行で勤務。

・35歳でオランド前大統領の側近として、2012~14年に大統領府副事務総長に就任。

・37歳で2014~16年に経済産業デジタル相に就任。

・40歳でフランスの大統領に就任。

という華々しい経歴を送っています。

 

ペロンは今自分で書いてて、クラクラしてきました…w

 

とんっでもないエリート、もう進んでいる道が違いすぎますね…

 

こちらの本では、フランスのグランゼコールと指導者について詳しく説明されています。

フランスのグランゼコール出身のエリート街道について気になる方は、ぜひどうぞ。

 




繰り返しになりますが、フランスでは「グランゼコールを出たか、どのグランゼコール出身か」ということが一生を左右します。

 

個人的見解ですが…

若いうちに将来の方向性が決まってしまうのは、中々残酷だなぁと思います。

この筋金入りの学歴社会は、大人になってからひっくり返せるようなものではないのです。

職歴も関係ありません、学歴が圧倒的に重要なのです。

 

このような社会なので、小さい頃から準備が欠かせないのですね。

 

後半では私が学歴社会のせいで苦労した、フランスでの就職活動について書きたいと思います。

 

 

ペロン
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